【S/4HANA移行の想い出】SI-Checkが”必須”でReadiness Checkが”任意”である理由

S/4HANA化プロジェクトを遂行するにあたり、初めにぶつかる壁がこのSI-CheckとReadiness Checkだと思います

正式名称は「Simplification Item Check」と「Readiness Check」です

巷ではこれらをSI-Checkは“必須”でReadiness Checkは“任意”だと区分けしています

それらの理由について、この記事で解説していこうと思います

目次

SI-Check

SAPが「S/4化に伴いERPからシンプル化される項目」をリスト化し公開しておりますが、

それがSI(シンプル化)項目と言われています

シンプル化される項目は移行先バージョンによって異なりますが、約600ほど存在します

SI-Checkでは、S/4化に伴い影響を受ける箇所を現行ERP上でその600項目に対しチェックを行い、対処が必要な項目と対処方法(Note参照させる)を検出してくれます

さて、SI-CheckはS/4化において必須のチェックと言われていますが、それは何故でしょうか

 

必須である理由

端的に言うと「チェックで引っ掛かった項目を対処しないとS/4化不可」であるためです

具体的には、DMO(SUM)の実施中にも訪れるSI-Checkフェーズを突破出来ないという壁にぶち当たり、SUMが完了してくれません

 

その要因を理解するために、まずSI-Checkに以下2種類のチェックが存在することを理解してください

  • 整合性チェック(Consistency Check)
  • 関連性チェック(Relevance Check)

まず、整合性チェックはシステム変換時のエラー要因となるデータの不整合を検知しています

また、関連性チェックはシステム変換により影響を受ける機能や技術的側面に対する箇所を検知しています

この特性から分かるように、DMOで影響するのは「整合性チェック」です

そのため、整合性チェックはS/4HANA環境へマイグレーションするには”必須”の機能ということになります

尚、関連性チェックは”任意”とされていますが、導入しているモジュール(SD,MM,FI,COなど)やトランザクション利用履歴(ST03N)などから、そのシステムへ関連するであろう影響を指摘してくれますので、S/4HANA移行後の修正箇所として必ずチェックしておきましょう

 

まとめ

  • SI-Checkは整合性チェックと関連性チェックを実施
  • 整合性チェックの対処はDMO完了条件の1つ
  • 関連性チェックの指摘項目はS/4HANA移行後に対処が必要

 

Readiness Check

SI-Checkと同様、S/4HANA化における影響度を分析してくれるツールの1つです

Readiness Checkは”任意”と位置付けられておりますが、その理由について解説します

 

任意である理由

こちらも端的に言うと「チェックで引っ掛かった項目を対処しなくてもS/4化可能」だからです

チェックされる内容を確認いただければ、お分かりいただけると思います

Readiness Checkでチェックされる項目は以下の通りです

  • 関連性チェック(Relevance Check)
  • カスタムコード分析
  • アドオン互換性
  • HANA DBサイジング
  • Fiori推奨アプリ      etc…

 

関連性チェックはSI-Checkにて解説した通りですが、その他項目についても同様「S/4HANA化後」に考慮が必要な項目となります

これがReadiness Checkが”任意”と言われる所以となります

 

とはいえ、余力があればReadiness Checkの実行もおススメします。

アドオン(カスタムコード)のチェックも行ってくれることや、Fiori導入を検討されている方向けにも過去トランザクション実行履歴から推奨機能もリストアップしてくれるということ、

また、関連性チェックについては、指摘項目やNote番号、関連性などがきちんとした「表」で出力されるという特典もあります。

※SI-Checkでは、関連性チェックの結果をダウンロードしてもカラムが整備されておらず、大項目~小項目まですべてが1列で表示されてしまい、まともな「表」にするために苦行を強いられることになります・・

  

おまけ

Readiness Checkのアドオン互換性について

本文ではしれっと「アドオン(カスタムコード)」なんて書いてますが、

「アドオン」と言っているのは、いわゆる「Z始まりとかのアドオン」ではありません

私も騙されました(知らなかっただけなんですが;;)

ここでいう「アドオン」とは、SAP社やそのパートナー企業が、顧客の要望にお応えして標準機能に追加で開発した機能のことだそうです(本来はそういう使い方らしいです)

あまり使っているお客さんはいないのではないかと勝手に思っています

なのでここに「対象無し」と出ても驚かないでください(笑)

我々が俗にいう「アドオン」は「カスタムコード」と言うそうです

 

。。。勉強不足でした

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